今年(2026年)は大雪が頻発しています。この大雪のため、札幌市内のロードヒーターは融雪不足でなかなか思うように雪が溶けないところもあるようです。ロードヒーターのボイラーに対しての省エネ運転も重要ですが、路面の融雪効率の向上も大きな課題といえます。ではいったい、どのようにすれば、省エネと同時に融雪能力を向上させることはできるのでしょうか?
ロードヒーターの融雪方式
埋設型のロードヒーターは融雪方式にかかわらず、まず路面を温めます。路面が温まることによって雪が融ける、というシンプルな構造です。これは言い換えると間接的に雪を融かしているわけですね。
つまりいったん路面を温め、温まった路面が雪を融かす。この過程で実はロスが生じてしまっているのです。「直接雪を融かすわけではない。」これがロスの原因となっていることを知っておきましょう。

埋設式ロードヒーティングの構造的熱損失
話をもう少し掘り下げてみましょう。当たり前ですが、融雪管または電熱線は路面下に埋まっています。融雪管は熱を発生させますが、このとき当然360°全方向に熱を出します。言い換えると、雪のある「上方向」だけでなく、「横方向」更には「下方向」にも熱を出しているわけです。
これだとロードヒーティングの融雪効率は落ちてしまいますね。発生した熱の半分が、地面を温めるのに使われてしまっているのです。

熱を効率よく融雪に利用するには
それではどのようにすれば熱を効率よく上方向に向けることができるのか。まず思い浮かぶのが断熱材。発泡スチロールのような素材を埋設管の下に敷く。ついで遮熱シート、アルミ箔のような素材ですね。これらは似ているようで素材も原理も全く異なるのですが、送りたい方向に熱を送ることができるという意味では同じような効果が期待できます。
断熱材の場合は地中からの熱も遮断してしまう点には注意が必要です。
断熱遮熱で省エネは可能か
「融雪効率が上がるのであれば、省エネもできるようになるのでは?」
ごもっともな指摘です。結論を言うと可能です。しかしここで注意しなければならないことがあります。現状の融雪システムに実装するだけでは、大した効果は期待できないのです。
融雪制御を行っているのは、あくまで気温センサーと降雪センサーの2つです。つまり降雪センサーは、センサー上の雪を観測しているのであって、実際に路上の雪が溶けたかどうかを判定しているわけではありません。

従って融雪が速やかに行われていても、融け残りがあっても運転するときには運転して、止まるときには止まります。良くも悪くも実際の融雪状況とは無関係に運転制御されるのです。
下の図は、路面には雪がないのに、ボイラーは運転中のケース。
こういうことも日常的に起こりえるのです。

とけピタ君QRとの相性は?
実はかなりいいのではないかと、筆者は考えています。とけピタ君は、路面の積雪を視覚的に監視するシステムです。従って、いち早く雪融けを感知し、ボイラーの運転を止めます。

またボイラー停止後も埋設管には温まった不凍液が残っており、実は熱を発しているのです。
この熱を効率よく路面に伝えるため、ボイラー停止後の融雪がより効率よく行われます。
さらに最初の運転でしっかり融けていれば、ちょっとした降雪(いわゆるちょろ雪)で、必要以上の運転には至りません。つまり融雪性能、省エネ性能の両方の向上が期待できるのです!
断熱材・遮熱材はあとづけ施工できるの?
残念ながら埋設管に関しては後付け施工はできません。技術的には可能ですが、アスファルトを剥がして埋設管下を掘り起こす大工事になります。
なので新築時にご検討されるのがよいと思います。また敷設に際しては施工業者様とよく相談してから決めてください。




